'97〜

雑記

ま/れちゃん か/ほちゃん

 

 

 

高校のときTwitterで銀杏とかがすきな同世代と繋がっていた。そのなかのひとりと大学二年生のとき、サークルの新歓活動で偶然出会った。ぼくは顔をなんとなく知ってたからあっ!とおもったんだけど僕は顔なんてSNSで出すようなタチじゃなかったからむこうは勿論気付いてなかった。新入生に向けたライブで村八分のコピーをやったときに(当日ぶっつけ本番だった。しかも自分は間違って一曲違う曲をコピーしてしまっていて焦った)(鈴木が最高に歌ってほんとクソ楽しかった)が終わったあと「ねえ、もしかしてか/ほちゃん?ぼく〇〇だよ」って言ったらスゲー驚いててそのあと飲み会中ずっとふたりで話してた。

 

それから僕とか/ほちゃんは大学の昼休みに飯を食いにいくようになった。二郎を食べに行く約束をしていたけれど、彼女が「やっぱり下北でなんか食べよ!」というから付いて行った。ダンダダンの隣にある小洒落たカフェでランチプレートを食べた。彼女がフォークを口に運ぶところを見ていたら「なんでみんの〜笑」みたいなこと言ってた。なんか女の子と二人でご飯ってこんな感じなんね。って思った。

 

その後も一緒に大学のすぐ横にある家系ラーメンを食べに行ったことがあった。一人で入ると周りには大学生ばかりだし自意識過剰の僕はその人たちに以上に意識を持ってかレテ集中できないんだけど女の子と行くと全然気にならなかったな。か/ほちゃんはレディースラーメンとかいうひと回り小さい器の、麺が少ない代わりにすきなトッピングが載せられるやつを頼んでた。卓上の酢を丼の上で3週くらい回し入れてた。「入れすぎじゃない?」と僕が言ったら「え〜私毎回こうする!」とか言ってたけど、結局酸っぱくなりすぎたらしくて顔をしかめて僕を見て小声で「酸っぱい〜笑」とか言ってて笑った。スープ飲ませてもらったらまじで酸っぱくて笑った。帰り際、店員さんから女の子限定のペコちゃんキャンディーをもらってた。

 

大学の食堂で空きコマ時間を一緒に潰したことがあった。僕は次の時限が中国語のテストだったからひたすらノートに中国語を書きなぐって覚えようとしてるんだけどか/ほちゃんは向かいに座ってベースを取り出し、今度のライブでやるという曲の練習をしていた。ノートに彼女のフルネームを書かれた。字があんたそのもので、なんか一生残したくなった。

 

twitterで仲良くしていた人にもうひとりま/れちゃんという子がいた。

か/ほちゃんが大学に連れてきていたらしく、「渡邊くんもきなよ」って言われてまた食堂で合流した。ケイスケカンダのスウェットをきていた気がする。僕はSILASのスウェット着てた。ま/れちゃんは、か/ほちゃんとは違って奥ゆかしいおっとりした女の子だった。そん時はま/れちゃんとはほとんど話さなかった。

学食を出て喫煙所に向かうとま/れちゃんはPeaceを吸い始めた。「ピース吸ってんの!?」って言った。カッケーと思った。それから僕はピースをたまに吸うようになった。 『Peace』の文字と抽象化された鳩のパッケージが異様にかっこよかった。それを吸う女の子がかっこよかった。

 

それから僕らは三人でよく遊ぶようになった。

下北沢threeで定期的に行われていたエントリーフリーのイベントを見に行った。ミツメとナツノムジナを見たのを覚えてる。そのハコのブッカーとま/れちゃんは最近別れたらしく、始終「目あったらどうしよう」とか言ってたな。

店を出て散歩をした。三人とも結構飲んでたからあんまおぼえてないや。

 

それ以降、僕はよくま/れちゃんとふたりで遊ぶようになった。

最初は、永福町駅で待ち合わせて和田堀公園の釣り堀に行った(なんも釣れなかった)。そのあとはコンビニで酒を買って永福神田川沿いのおおぞら公園というところのでかい芝生に寝転んで星見ながらいろんなこと喋った。僕らどちらも口下手だったけど居心地の良い関係性だった。

終電の時間になって駅へ向かっている時、彼女が寒いと言ったから僕が着ていたジャージを肩に羽織らせてやった。気恥ずかしかった。童貞だったからね。緊張したどんな反応されるか。

 

それ以降は僕にもか/ほちゃんにも、人生で初めての恋人ができて三人で遊ぶことは全く無くなった。

 

そして恋人とも別れた2年後、サウンドクラウドでま/れちゃんの曲を聴いて久しぶりに連絡が取りたくなってまたあそぼってメールを送った。屋上に行ったりあてもなく10kmくらい散歩をしたりした。それからは深夜に多摩川河川敷に特に意味もなくギターとお酒を持って遊んでた。

か/ほちゃんは恋人との関係性上男がいる場所に遊びに行けないんだって。悲しくなっちゃうよな。またいつでも一緒に遊びたいのに。

 

先日、彼女たちがやっているバンド、東/京/初/期/衝/動のライブを観に行った。ま/れちゃんがゲストパスをくれたんだ。あんな身近な存在だった友達の、リキッドルームのステージで弦引っ掻き回して叫んでいる姿を見ることになるとは思ってもなかったな。彼女たちの音楽はGOINGSTEADYだ。僕はこういう所謂『青春パンク』をやりたくて上京してきた。今でもやりたい。だけどもう僕は23歳なんだ。東京きてから5年が経っているんだ。色々思うところがあった。

 

終演後、彼女たちに電話をかけた。

 

「渡邊くん?久しぶり!」

「久しぶりだね!ほんとライブ最高だったよ!」

「ありがとう!またあの時みたいにあそぼうね!!!」

「うん!まじで遊ぼうな!!!!!!」

 

あと何回会えるんだろうか。

ネッ友 好きだよ。

 

もう、名前の間に『/』は入れたくない。